野鳥に関するデータ

Bird-Data

鳥の種類、世界で、日本で

動物の分類は門、綱、目、科、属、種で分類する。鳥は脊柱動物(門)の鳥(綱)に分類され、例えばカラスは、スズメ(目)、カラス(科)、カラス(属)で日本には約10種もいる。 水辺の鳥はカモ目、カモチドリ目など11目あり、山野の鳥は14目で一番(科)が多いのはスズメ(目)です。
2021.5.19ナショナルジオグラフィックによると 世界で約10,000種、日本で約600種、
 コロナウイルスではありませんが生物は常に分化、交雑、絶滅しており、生物の分類法も変化しています。分類の学説も色々あり、まあおおよその数字でよしとします。
 日本の書籍「野鳥図鑑670」がありますが、定期的に飛来する「渡り鳥」ではなく、船に紛れ込んでとか台風その他で突然日本に飛来する「迷鳥」も含まれています。第3回全国鳥類繁殖分布調査によると379種記録したうち日本で繁殖記録があるのは278種とのこと
日本固有種とは、日本鳥学会が認定しており、「日本にだけ生息する留鳥で、独立した種の場合」を認定するとしている。
 ヤマドリ、ヤンバルクイナ、アマミヤマシギ、アオゲラ、ノグチゲラ、ルリカケス、メグロ、アカコッカ、カヤクグリ、セグロセキレイの11種が2020年まで日本固有種だった。
ところがDNA分析という手法により配列が3%以上違うからという理由で、2021年追加でオガサワラカワラヒワ、オリイヤマガラ、キジ、ホントウアカヒゲ、リユウキユウサンシヨウクイの5種が追加された、外観がほとんど同じなのに区別するという。外観が違うのにDNA分析がほぼ同じもあるという、固有種については学者の中でも意見がわかれているようです。
 世界共通の呼び名として学名    ツバメの英米語swallow、ドイツ語schwalbe、フランス語 hironselle、イタリア語 rondire、スペイン語 golonselle と翻訳上ではなるが、これらツバメが同一種とは限らない。隣の国でも異なる場合がある、それでは生態調査、学術研究では困るので、学名で分類する。 日本の関東甲信越にいるのは、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメの約3種。 一番多いの単なるツバメであり、学名はHirundo rusticaです。
世界的にスズメ、ツバメ、ヒバリは減少傾向にあるのに、一方増加しているのがシジュウカラですシジュウカラは広く世界に分布する留鳥であり、分類はスズメ目、シジュウカラ科であり、欧州群(Parus-major)は日本群(Parus-minor)と比較して大きく、腹部が黄色で背面にオリーブが目立つ。シジュウカラはこれら以外に南アジア群(Parus-cinereus)の3つに分類される。温暖化で世界的に増加傾向にあるそうです、なぜなのだろう?、温暖化対策を彼らにAIで聞けば多少参考になることが聞けるあるかもしれない。???
 スズメ、ツバメ、ヒバリが減少している原因として考えられるのは、人間の都市部への移動、農業が大規模農法に転換し草地、穀物の落穂・種が減少し、農薬の大量使用により小さな昆虫の減少したことが考えられる。?
   

分類 種の数
昆虫 約650,000
維管束植物 約270,000
鳥類 約10,000
哺乳類 約6,000
魚類約 36,000
日本の蝶蛾約5000

野鳥の寿命

小型の野鳥の寿命は短い
 長寿で有名なのはフクロウ、ミミズク、オウムです。 セキセイインコもギネスブックによると1977年死去のチャーリー君29歳で長寿記録、平均寿命は約8年だそうです。
 動物園などで飼育されている動物は、自然界より長寿です。 第一に天敵に襲われる心配がない、第二に食料に困らない。
 捕食者とは、野鳥の卵、ヒナ、親鳥をも襲うカラス、ヘビ、猫、イタチ、猛禽類などのことをいう。ヘビは丸呑みするのに、猫は食べるというよりイジリ回し殺してしまうので残骸が無残。トビ、オオワシなどの猛禽類でさえ、卵、ヒナをカラス、ヘビなどに食べられてしまう。
野鳥の卵が巣立ちするまでに、大雑把に言えば50パーセント以上は食べられてしまう。 シジュウカラなどの平均寿命は約2年弱、なんと短いことか
  野鳥はメスのほうが短命
 哺乳類は人間を含めてメスのほうが平均寿命は長い(例外はあります、以下同じ)。しかし野鳥はメスのほうが平均寿命は短い。その理由は①抱卵は大半はメスの仕事で巣に長時間いるので捕食者に襲われやすい、②抱卵は平常時の体温(約40℃) より高めにするので、消費エネルギーが多く寿命を縮めるためと考えられている。
 メジロ(体長10.8~11.4cm)と、最も小さな鳥のミソサザイ(体長9.9~10.9cm)の平均寿命が短いながら、スズメやシジュウカラよりも長いのはなぜだろう?、ミソサザイはツボ型の巣を作り出入口が裏にもあるという、メジロの巣もカゴのような形をしている。この形が抱卵中などに天敵に襲われにくいのかも知れない。(漢字名でシジュウカラは四十雀、ミソサザイは三十三才、は鳴き声を表わした?) 。
 スズメの卵からの寿命 ①卵が100個あった ②ヒナになれる60羽 ③巣立ち50羽 ④1年後まで残る10羽 ⑤3年目まで残る4羽 ⑥6年目は1羽 だそうです。シジュウカラもほぼ同様の確率らしい、我が家に毎年くるシジュウカラを見ていると、オスの行動が様々であり、毎年ちがうツガイが来ているらしい。
  

鳥名飼育での長寿自然の平均寿命野外での長寿
 ワシミミズク 68年    
 オウム 56年     
 スズメ 15年  1.3年  8年1カ月
 ツバメ     1.1年  8年11カ月
 シジュウカラ     1.7年 7年11カ月
 メジロ 10年 3~4年 6年10カ月 
 ミソサザイ  3年  
 

留鳥か渡り鳥また冬鳥、夏鳥、旅鳥

夏にしかみられない鳥、冬にしか見られない鳥がいます。だからと言ってこれらが全部渡り鳥ではありません。日本国内を移動する鳥、山間地と都市部を移動する鳥もいます。ツバメは日本に渡ってきて繁殖し、寒くなると南方の国々へ帰っていく。カモやツルなどは北方の寒い国の夏に繁殖し、冬になると日本に渡ってくる。北海道で繁殖したヒヨドリは冬になると青函海峡を越えて本州に渡ってくる。日本は南北に長いので北海道だけにいる鳥、沖縄諸島にだけいる鳥もいます。従って夏鳥、冬鳥という区分は観察地域ごとに異なる事になる
 参考、哺乳類や鳥類は、寒い所では体温を保ちやすい大きな体を持ち、暑い所では放熱して冷却しやすい小さな体を持つ、これはベルクマンの法則と呼ばれる。たとえばカワラヒワは北方ほど体重が重たいという。
 主な冬鳥……ジョウビタキ、ツグミ、シロハラ、カシラダカ、ミヤマホウジロ、アトリ、マヒワ、コガモなどカモ類
 主な夏鳥……ツバメ、オオルリ、キビタキ、コマドリ、カッコウ、オオヨシキリ、ホトトギス、コチドリ、サシバ、アカショウビン
 主な旅鳥……チュウシャクシギ、メダイチドリ、オオチドリ

生まれたヒナの分類
卵から孵化した直後のヒナの形態が3分類されます。
孵化直後にヒナを見たときに、可愛いというのは羽毛のある鳥です。テレビに毎年放映されるカルガモ親子の一群です、孵化直後に泳いでいる、ヨチヨチと歩いている。逆にシジュウカラの孵化直後は羽毛がない赤い肌がみえる、ちょっと気味悪い、メス親は孵化後もヒナを温めなければいけません。この分類は孵化した後の生存率に影響ありそうですが、
 
分類 形態  どんな鳥
早成性 羽毛が生えていて歩けるもの オシドリ、カルガモなどの水鳥
晩成性 赤裸であり目も見えない樹の穴などに巣を作るシジュウカラ、スズメ。ツバメなど
半晩成性 羽毛生えているが自分で歩けないタカ、サギ、フクロウなど主として樹上に巣作り
 

ツバメ、スズメ、ヒバリは昔より減少

 昔は草むらの近くで鳴くヒバリの声を最近は自宅周辺でも、旅行先でも聞かなくなりました。世界的にも減少傾向にあるようです。ツバメ、スズメが減っている。逆にムクドリ、カラスは相当増えているように思うが都会だけらしい。
 約20年1回全国鳥類繁殖分布調査が実施され今回が3回目でバードリサーチ、日本野鳥の会、日本自然保護協会、日本鳥類標識協会、山科鳥類研究所などが協力して行われた。2016~2020年春までの実地調査とアンケート調査を分析とりまとめて2021年10月に発表している。実地調査などはボランティアも募集して行っている。このデータが増減を知る貴重なデータです。
  今回の調査対象種は、日本で繁殖記録のある(あるいは可能性のある)278 種(+3 亜種)について地域分布と総個体数を発表した。 総個体数は減少しているのに、地域別には都市部で増加しているものもいる。
  総個体数が1999年からと2016年から比較すると、スズメは31,159から20,627、ツバメは14,978から8,987に減少している。どちらも一般家屋などに巣作りしていたが、住宅構造の変化により巣作りの場が減少していることが原因らしい。 ムクドリの総個体数は減少し、カラスの総個体数は変化が少ないが、どちらも山間部から都市部に移動しているから目立つらしい。

⑴ ツバメ

ツバメの減少を心配した人たちが、コルク粘土とワラで作った巣を「ツバメ人工巣」、フンの落下を防ぐ「フン受け」を「ツバメ観察全国ネットワーク」で販売している。 付ける場所のある人は購入されてみては如何ですか
しかし取り付ける場所が問題で、具体的には①外から見えにくい壁の天井間際に、②天井からコブシひとつ分くらい離れた位置に設置するといいと書いてあります。 うちの近辺では駅の階段部の天井近くの鉄骨の陰に巣作りしているのが唯一見られる。6月7月に忙しく空中の虫を咥えて巣を往復している。 

(2) スズメ

一番身近なスズメについてみると、人間のそばが好き、でも人間を恐れる「過疎化で人間が減るとスズメも減少」
・種類…日本いるスズメは3種、通常みられるのは単なるスズメ、森林にいるニューナイスズメ、北海道等にくるイエスズメ。
・雄雌の区別…同じ色をしており、プロでも見ただけでは区別がつかない。
・習性… 人間のそばが好き、人間が住まなくなった家には、巣作りしない。
・習性… でも人間が怖い警戒心が強い、シジュウカラは多少近づいても逃げないのにスズメは一斉に逃げる
・習性… 集団行動する、巣作りも1メートルで許容。シジュウカラは縄張り意識あり50メートルくらい
・寿命… 50羽巣立ったら、翌年まで生き残るのは10羽、6年目には1羽。シジュウカラもほぼ同じ
・産卵から巣立ち…卵は4~6個、孵化は約14日弱、巣立ちまで2~3週間。シジュウカラとほぼ同じ
・巣作り

(3) ヒバリ

 雌雄同色で後頭に短い冠羽があり、巣を作る場所は低地から山地の河原や畑、草原などの丈の低い草地である。 巣は草の根元などに浅い穴を掘り、枯れ草を材料に椀形の巣を作り産卵する。
 繁殖分布調査でも、少なくとも住宅密集地ではヒバリを最近見たことのない人が大半を占める。一方人口が激減している地域では今も健在らしい。東京都だけをみると1970年代に比較して1990年代には約4分の1に減少している、その後はあまり変化がないようです。

2023年11月12日修正

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